『 雪女 』 男が約束を守る大切さを説く ~ ドラマ『日本の面影』より④
(2011.4.20) (戻る)
昨日の『幽霊滝の伝説』のように、本人ではなく子供に対してなど、最も手痛いところにその罪の報いが返ってくる。これは本来、保守精神の基本中の基本ともいえる発想法です。ドイツの『ハーメルンの笛吹き男』のような子供たちが連れ去られてしまう話も、根幹にあるイデオロギーは同じ。しかし今や、左翼的な個人中心志向が基本とされてしまってる中、そういった思考法、もはや消滅しつつあります。
天罰が、罪を犯した本人ではなく、罪のない人々や子供たちにもたらされるということ。これこそ最も手痛い仕打ちであるわけです。
本来、先祖があって、今の私たちがあって、子孫がある。だから、まっとうな保守派なら先祖を敬えと言うし、今いる人だけでなく過去から未来まで全体で見るんです。
しかし唯物的、拝金主義的な貧脳 左翼には、個人や今しかない。だから左翼マスコミは、石原知事の「地震は天罰だ」発言に対して、「亡くなった人々に何の罪があるのか!?」といった愚かな戯言で噛みつく。
しかし左翼マスコミの噛みつきに対し、石原氏が本当にわかっていたなら、私と同じく「天罰とは罪のない人を奪っていくような、最も手痛いやり方で施されるものだ」といった話をすれば、奴ら左翼の戯言など簡単に論破できるものを、そこまで言い切れず、左翼マスコミの噛みつきに、「そりゃそうだな」という感じで易々と発言を撤回した石原氏自身も、このことがわかっておらず左翼脳に陥っている可能性がなきにしもあらずです。こういう発想が出来ていた方、現代の日本にいったいどれだけいるでしょうね。
「他は何やってもいいけど、この約束だけは守って」と男に言う、日本の昔話の女たち
日本の昔話には、小さな約束でも男がそれを守ることの大切さを説く話がとても多いです。(右は偕成社 『小泉八雲怪談集』。詳しくは写真クリック)
この『雪女』はその代表例ですが、他にも『鶴の恩返し』や『うぐいすの里(うぐいすひめ、うぐいすのよめさま)』など、「見てはいけません」、「人に話してはいけません」といった、女との小さな口約束にすぎないものでも、それを男が破ってしまったことで、男がすべてを失ってしまうような話。きっとこれは、男は家族に対する小さな約束でも守るべしという、昔の価値観の表れだと思うし、きっとそういう小さなところから、もっと大きな主君との忠義の問題などにもつながっていくのだと、見なしていた傾向があったからではないかと、個人的に考えています。
美しく器量もいい妻を得られた男でも、ちょっとした不実から、すべてを失いかねないということを、きっと先人たちは訴えたかったのでしょう。
ドラマの中でもハーンが言っていた、日本人が持っていた子供のような信仰心、先人たちは如何に崇高な精神を持っていたことか。現代ではそういうのを大切にしようとか言うと、キチガイ扱いなのでしょうか・・・
数多い日本の昔話でも、『雪女』は私の最も好きなお話。怖くもあり、とっても幻想的、美しくも悲しい物語です。美しい情景、人の怨念と人情の対比、家族観など、どれをとってもこの物語の持つ世界観は絶品で、世界にも類がないものと思います。
これほど美しくも儚い昔話が存在していた日本、外国人からすれば本当に奇跡の国なのでしょう。
子供の頃、この話を聞いて、「ボクだったら雪女を見た時の話なんか絶対しなかったのに・・・そうすれば、いつまでも一緒に暮せたのに」と、子供ながらに思った男性はきっと多いのではないでしょうか? 鶴の恩返しの話でも、「ボクだったら覗いたりしなかったのにな・・・」、女の側にはわかりにくい、そういうイマジネーションが、小さな男の子には絶対必要なんです。
「ボクなら言わない」、『雪女』の絵本を読んであげた時、うちの子は素直にそう言ってました ^▽^)
こういう純朴な発想、大人になってからではもうダメなんですよね。
ちなみにうちにある絵本は、チャイルド本社の「ゆきおんな」(右写真クリック)。
そして、この“雪女”と今の“フェミ女”たちとの決定的な違い。今のフェミ女なら、自らが男から逃げ去るのはもちろん、子供も何もかも男から奪いさっていくのが当然のようにされてる風潮がありますが、雪女は子供への愛情、未練を残しながらも、子供だけは男に残していきます。男の父親の命を奪うような氷の心の雪女ですが、その心には暖かなものも宿っていることが伺えます。雪女は、男に裏切られても、子への母性と男への愛情だけは忘れませんでした。
もしも雪女が、男から子供たちまで奪って消え去っていったなら、どう思いますか? それに親の勝手な都合で父親から引き離された子供たち、どう思うでしょうね。
男にとっては、子供まで奪われてしまうくらいなら、雪女との最初の約束通り、まだ殺された方がいいように思いませんか?
現代では、何かあるとすぐに、女が男から子供も何もかも奪って逃げていくのがさも正しく、当たり前に許されるかのようなってしまってますよね。たとえ男が浮気をしたのだとしても、女がそこまでやるのはひどすぎることだと思いませんか? 社会や法律では一見、それが許されてるように見える。でも本当はそんなこと、神様が許すと思いますか?
心当たりある方、現代では女が当たり前に男に対してやってるようなことが、本当は如何にひどいことであるか、よーく考えてください。ましてやそれが自分の息子の身に起こってしまったら・・・
こんなことが平然と行われている現代は、狂っているんです。 (続く)
『 雪 女 』 ドラマ 『日本の面影』(1984)より
出演:ジョージ・チャキリス、壇ふみ、他
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(2013.12.16)
今もこのまま公開されてるのかはわかりませんが、前にご紹介した青梅の赤塚不二夫会館に隣接する昭和レトロ商品博物館の二階にあった、雪女の部屋。
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(続き)◆『 耳なし芳一 』 安徳天皇の短い生涯にむせび泣く平家の亡霊 ~ ドラマ『日本の面影』より⑤(終)
(戻る)◆『幽霊滝の伝説』バチ当たり女の話 ~ ドラマ『日本の面影』より③
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