日本の面影

Glimpses of Japan
失われる日本人の精神性に、将来を憂う  リンクフリー

本物の“大和撫子”入門 ② ~ 貝原益軒『和俗童子訓』【女子を教ゆる法】より

 ←はじめにクリックお願いします m(__)m

(2012.11.16)   (始めから)
武将ブームとされ、時代考証無視でイケメン武将が出てきたり(イケメンなんて言葉は日本語じゃなく朝鮮語)武将が女にされたりワケのわからないメチャクチャなドラマやアニメばかり持ち上げられていますが、じゃあ、女としてどうあるべきなのかが、全く教えられていません。いくら歴史・武将ブームに熱中しても、これでは日本の女がパッパラパー化するだけです。
武将研究より先に、往年の日本女性 大和撫子がどういう教育をされていたか、まずはそっちから入っていかないと、先人に笑われちゃいますよ。
特に「明治維新は薩長による陰謀、革命だー!」、「江戸時代こそ日本の理想郷」とされてるような方々は尚更、江戸期の教育・精神基盤とされた貝原益軒の教えとかの勉強を、ぜひされてみてください。
とにかく貝原益軒(1630-1714)の著作(特に『和俗童子訓』)や、女子教育書『女大学』は必読ですよ。

日本初の体型的な教育書 貝原益軒『和俗童子訓』(詳しくは右写真クリック)に収録されてる【女子を教ゆる法】は、江戸期の女子教育規範の原典であり、これを元に何度か改訂が加えられ、その後は『女大学』と称されて江戸時代に広く普及、もちろん明治から戦前までの女子教育にも大きな影響を与えてます。

『和俗童子訓』にある【女子を教ゆる法】は、日本女性 ヤマトナデシコとしての心得の基本中の基本、いわば日本人にとっての子女教育における聖書といえるでしょう。
『女大学集』(詳しくは右写真クリック)を全部読まなくとも、その原典となったこの『和俗童子訓』だけでも、ぜひ読んでみてください。平易な文体だし、【女子を教ゆる法】の部分は文庫本でわずか十数ページなので、1時間もあれば十分読み通せます。周りの方にもどんどん薦めてください。ここのことも、より多くの人に拡散してください。
少なくとも私たちの世代なら、今は亡き私らのお婆ちゃん達がいったいどういう教育を受けていたか、スゥーッと頭に入ってきて、あの時代の女性たちと心がつながること、きっと出来ますから。
『和俗童子訓』を一家に一冊、置いておきましょう。それから、ゆっくりでもいいので『女大学』の方へ進んでほしいものです(ただし福澤諭吉の『女大学評論』『新女大学』は完全にフェミイデオロギーなので無用)。

新しい子育て本なんか読む前に、日本人ならまずはこの『和俗童子訓』を読んでみてください。読めばきっと左翼イデオロギーまみれで眠かった目も、パッチリ開眼することでしょう。
今日はその内容をいつくか抜粋させていただきます。
*********************************************************
貝原益軒 『和俗童子訓』 【女子を教ゆる法】 より

【女児はひとえに、親の教え一つで育つものである】
父母の教え、怠るべからず。親の教えなくて、育てぬる娘は、礼儀を知らず。女の道にうとく、女徳をつつしまず、かつ女功の学びなし。是れ皆、父母の子を愛する道を知らざればなり。

【幼児より女徳を養い育てよ】
およそ女は、かたちより、心のまされるこそ、めでたかるべけれ。女徳を選ばず、かたち(容貌)を本としてかしづくは、いにしえ今の世の、悪しき習わしなり。

女の徳は和・順の二を守るべし。和らぐとは、心を本として、かたち・言葉もにこやかに、うららかなるを云う。順(したがう)とは人にしたがひて、そむかざるを云ふ。

【婦人は敬順の道を貴ぶ】
「敬順の道は婦人の大礼なり」と云へり。然れば女は、敬順の二つを常に守るべし。敬とはつつしむ也。順はしたがふ也。
およそ女の道は順を貴ぶ、順のおこなはるるは、ひとへにつつしむより起これり。

【男は外を治め、女は内を治める】
いにしへ、天子より以下、男は外を治め、女は内を治む。王后以下、皆内政を務め行ひて、婦人の職分あり。今の世の習ひ、富貴の家の婦女は、内を治むる務めうとく、織り・縫ひのわざにおろそかなり。いにしへ、わが日の本にては、かけまくもかしこき天照大神も、みづから神衣を織りたまひ、斉服殿にましましける。その御妹、わかひるめのみことも亦しかり。これ日本紀に記せり。

【女性の四行】
女に四行あり。一に婦徳、二に婦言、三に婦容、四に婦功。此の四は女の務め行ふべきわざ也。
婦徳とは、心だてよきを云ふ。心正しく、いさぎよく、和順なるを徳とす。婦言とは、言葉のよきを云ふ。偽れる事をいわず。言葉を選びていひ、にげ(似気)なき悪言をいたさず。いふべき時、いひて、ふ用なる事をいはず。人其いふ事を嫌はざる也。
婦容とは、かたちのよきを云ふ。あながちに、飾りを専らにせざれども、女は、かたち(容)なよよかにて、おおし(雄々)からず、装いのあてはかに、身持ちきれいに、いさぎよく、衣服もあかづき汚れなき、是れ婦容なり。
婦功とは、女の務むべきわざ也。縫ひ物をし、紡み・績ぎをし、衣服を整えて、専ら務むべきわざを事とし、戯れあそび、笑ふことを好まず。食物、飲物をいさぎよくして、しうと、夫、賓客にすすむる。是れ皆、婦功なり。

【女児七歳にして文字を習う】
七歳より和字を習はしめ、又、おとこもじ(漢字)をも習はしむべし。淫思なき古歌を多く詠ましめて、風雅の道を知らしむべし。
是れまた男子のごとく、はじめは、数目ある句、みじかき事ども、あまた読み覚えさせて後、孝経の首章、論語の学而編(がくじ)、曹大家が女戒などを読ましめ、孝・順・貞・潔の道を教ゆべし。
十歳より外にいださず、けい門の内にのみ居て、織り縫ひ、紡み績ぐ、わざを習はしむべし。仮にも、淫いつなる事を聞かせ知らしむべからず。小歌、浄瑠璃、三線の類、淫声を好めば、心を損なふ。
此の頃の婦人は、淫声を、好んで女子に教ゆ。是れ甚だ風俗・心術を損なふ。いとけなき時(早い時)、悪しきことを見聞き、習ひては、早くうつりやすし。女子に見せしむる草紙も、選ぶべし。いにしへの事、記せるふみ(文)の類は害なし。聖賢の正しき道を教えずして、ざれ(戯)ばみたる小唄、浄瑠璃本など見せしむる事なかれ。また、伊勢物語、源氏物語など、其の言葉は風雅なれど、かやうの淫俗の事を記せるふみを、早く見せしむべからず。又、女子も、物を正しく書き、算数を習ふべし。物かき。算を知らざれば、家の事を記し、財をはかる事あたはず。必ずこれを教ゆべし。

【婦人三従の道】
婦人には、三従の道あり。凡そ婦人は、柔和にして、人に従ふを道とす。わが心にまかせて行ふべからず。
父の家にありては父に従ひ、夫の家にゆきては夫に従ひ、夫死しては子に従ふを三従といふ。身を終はるまで、わがままに事を行ふべからず。必ず人に従ひてなすべし。

【婦人七去の法】
婦人に七去とて、悪しき事七あり。女子に教え聞かすべし。一には父母に従はざるは去る。二に子なければ去る。三に淫なれば去る。四に妬めば去る。五に悪しき病あれば去る。六に多言なればさる。七に盗みすればさる。此の七の内、子なきは生まれ付きなり。悪しき病はやまひなり。此の二は天命にて、力に及ばざる事なれば、婦のとがにあらず。

古き文にも、「婦に長舌あるは、是れ乱の階なり。」といへり。女の口の利きたるは、国家の乱るる基となる、といふ意なり。

女の、男子の如く物いふ事を用うるは、家の乱れとなる。凡そ家の乱れは、多くは婦人より起こる。婦人の禍は、必ず口より出づ。戒むべし。

もし夫不徳にして、家、貧賎なりとも、夫の幸なきは、婦の幸なきなれば、天命の定まれるにこそと思ひて、憂ふべからず。

【女児を幼児から、厳しく教えよ】
凡そ女子を愛し過して、ほしひままに育てぬれば、夫の家にゆきて、必ず驕りおこたりて、他人の気に合はず、つゐには、しうとにうとまれ、夫にすさめられ、夫婦不和になり、追ひ出され、恥を晒すもの多し。

【早くから女功を教えこめ】
女子には、早く女功を教ゆべし。女功とは、織り縫ひ、紡み績むぎ、すすぎ洗ひ、又は食を整ふるわざを云ふ。

【男女の別をはっきり立て、貞節を守れ】
父母となる者、女子のいとけなきより(早いうちより)、男女の別を正しくし、行儀を、かたく戒め教ゆべし。
女は心ひとつを貞しく、潔くして、いかなる変に会ひて、たとひ命を失ふとも、節義をかたく守るこそ、此生後の世までのめいぼく(面目)ならめ。

【嫁する女に、父母の教うべき十三か条】
後の『女大学』で十九か条に改訂されたものの方がわかりやすいでしょう。詳しくはこちらご参照を。
*********************************************************

上記内容を現代だと、どう捉えるか、各自考えてみましょう。さほど難しくないと思います。わかる人ならわかるだろうけど、現代にもピッタリ当てはまるでしょう? もちろん、マスゴミの垂れ流してるものには注意。
十歳になったら外に出るなと言うのは、そのままでは現代では難しいでしょうが、だからと言ってこれでは現代に合わないなんてなるのでなく、たとえ十歳過ぎた女が外に時折出ていても、上記教えの大事なところ、守るべきところを守っていれば、現代でもきっと立派な大和撫子になれるものと思います。

また、「(子孫相続のためにも)子なきは去れ」とありますが、心が和らかで行い正しい女なら、その必要はないと、ちゃんと補足されてます。
現代のフェミ女だと、なんで女だけ従ってばかりなんだとバカ言いそうだけど、これに対して男に求められてたものが主君や目上の者への忠義です。そしてこっち男の方には、命を懸けることまで求められていたわけ。それが当時の日本の秩序。女が好き勝手やってたら、男だって上から下まで好き勝手やりだすのは当たり前。
戦前までの日本は、この武士道的精神がまだ生きていたから、あれだけ強国だったのです。
(続く)

『ポップ・ミューヂック』(ポップ・ミュージック)(1979)
Pop Music ( or “Pop Muzik”) – M
(詳しくは右画像クリック)
Mは英国のミュージシャン。全米1位、テクノ系で初の世界的大ヒットとなった曲。今日の超硬派な記事を読んでカチカチに力むことなく、こんな曲でも聴いてリラックス、和んでください ^▽^)

  ← 応援クリック宜しくお願いします m(__)m

—————————————————————————–
(2013.8.19)
うちの場合、双方の実家に帰るのは西へ東へ大変なもので、子供一人であっても相当張ってきます。それに比べて同郷の結婚というのは、さぞや楽なことでしょうね。

私の実家の福岡は古代史的にも大変貴重な場所柄ですが、その福岡で生まれ育ち、黒田藩に仕えていた貝原益軒のお墓参りにも行ってきました。益軒先生の墓所は福岡市の金龍寺というところにあります。

今回、訪ねて初めて知ったのが、何と益軒先生自身には子供がなかったということ、そして墓所では、益軒先生とその東軒夫人が仲よく並んで眠っているんですね。益軒先生は五男だったので、本家末裔の方がずっと家を継がれてるそうです。
益軒先生は初婚で39歳の時に17歳の夫人と結婚され、夫人は以後、東軒と名乗ります。益軒先生は86歳という当時にしては大変な長命だったわけですが、夫人が62歳で亡くなった折ガックリきたのか、一年と経たぬうちに自身も亡くなられてます。

儒学のような思想的学問のみならず、生物学から農学まで、貝原益軒は日本のアリストテレスともいわれた日本史上最高の大学者であり、旅好きもあって日本各地を大変精力的に周られ、生涯に亘って博物的研究にいそしんでいたわけですが、その旅には奥様が同行されることが非常に多かったということです。1年以上を共に旅されてたこともあり、夫婦揃ってそれだけ活動されてたような方というのは、それまでの日本にいなかったのではないでしょうか。益軒先生自身は字が上手ではなかったのに対して、東軒夫人は大変な達筆だったそうで、夫人が益軒先生の著述をまとめたり、実際に手助けされることもあったようです。

「子無きは去れ」と、一見、女に厳しく説いてる風でいながら、夫人の良き人柄あってでしょうが、子供のない自分の奥様には大変お優しい方だったんだということで、益軒先生がそれだけ奥様を慈しみ愛され、これだけ行動を共にされていたなんて、なんて素敵な夫婦だったのだろうと感激いたしました。

日本の教育学の始祖とされ、戦前の教育では絶大な影響力を持っていた貝原益軒。左翼教育の普及で、現代日本では完全に無視されていますが、今回私が墓所を訪れ、ここで私がこんなことを書いて紹介するのも、きっと益軒先生の一念が私に伝わってのことだと信じてます。
来年2014年は、この貝原益軒先生の没後300年となります。

  ← 応援クリック宜しくお願いします m(__)m

—————————————————————————–
(続き)◆本物の“大和撫子”入門 ③ ~ 我の否定、徹底した自己犠牲精神 新渡戸稲造『武士道』より

(始めから)◆本物の“大和撫子” 入門 ① ~ 『女大学』より

◆武士の子女教育カリキュラム ~ 貝原益軒『和俗童子訓』より

◆高貴だった日本女性 ~ 子供の想い出を胸に生きる 阿弥陀寺の比丘尼 小泉八雲『心』より

◆仁・義・礼・智・忠・孝……五倫、四徳、五条、四端の心から道を修むる ~ 侍が学んだものを学び、偉大な先人たちと志を一にす

◆家庭内における戦前の教育再現 ~ わが家で使ってる子供用教本

◆子育て、死生観が変わる。読んでおきたい日本の古典 ~ 『土佐日記』と、一茶の俳句

◆敗者の名誉を重んじた日本人 ~ 日本で切腹が存在した意味

◆女は軽々しく男とつきあうな! 男はビッチ尻軽女に心を惑わされるな! ~ ストーカー予防法と、ストーカー利権拡大図る左翼

◆要するにアリの世界 ~ 男女共同参画だの左翼の社会ってのは

◆『マジンガーZ』に見る正常な男女観 ~ やっぱりガンダムよりマジンガーZ

◆イザナギとイザナミに見る、日本における男女のあり方 ~ 日本神話を題材に

◆フェミ二ズム批判するなら、女が見に来て女に「そうか!」と思わせるような内容にしなきゃダメ!

◆フェミ系右翼の台頭 ~ フェミ系右翼と排外主義は相性がいい

◆フェミニズム家庭崩壊=左翼 朝日新聞=朝鮮 ~ 腐った反日新聞の朝日

トップ | 本物の大和撫子入門 | permalink | comments(1) |

この記事に対するコメント

  • 【前サイトURLのこの記事へのコメント】

    子なきは去れとは、こんな効果もあるのでしょう。堕胎や流産による不妊になる確率がある事は聞きますね。結婚前に散々遊んで体をボロボロにした女が息子に近づいたら親は怒って女を追い払えますね。幸せな結婚をしたかったら女は身持ちが綺麗な方がいいでしょう。
    みの吉 | 2012/11/17 5:10 AM

    男女は別。
    それぞれ役割分担があります。
    それこそが本当の男女尊重!
    coffee | 2012/11/17 8:10 AM

    通りがかりで失礼します。
    平成の世に貝原益軒の『女大学』を礼賛される方がおられることに驚きました。
    実は、今年八十五才になる我が母の実家の子女教育は、この貝原益軒の『女大学』をもって行われていました。明治生まれの祖母は娘時代の母に「女は忍耐忍従が肝要、女の本分は自己犠牲。自分を滅し、夫や舅姑に尽くしぬき、家庭を守って子を産み育てることこそが女の使命」と、それは厳しく厳しく教え込んだようです。
    残念ながら母は「女性の人権を踏みにじっている」と祖母の教育方針に強く反発し、『女大学』とは真逆な生き方を選びましたが。(苦笑)
    『女三界に家なし』の教えが亡国寸前の日本を救うのかどうかはともかく、拝見した記事に存命だった頃の母方の祖父母の話を思い出すものが多く、非常に懐かしくは拝見しました。
    さゆり | 2012/11/18 1:53 PM

    男の子の育て方で、参考になる本はありますか?
    通りすがり | 2012/11/19 8:43 PM

    この『和俗童子訓』は、【女子を教ゆる法】の部分を除いて、概ね男子教育についての本ですよ。
    サファイア | 2012/11/19 8:58 PM

    子供には母親の存在は男女ともに大切ですが、男の子には父親が重要だと思います。それはただいるだけの父ではダメで真の父性が必要です。ソフトバンクのCMなんかは執拗にそれを破壊洗脳しています。
    a | 2013/07/27 2:47 AM

    最近の女性の身持ちの悪さといったら、
    手に負えないものがありますよね。
    日本がジワジワと内部崩壊していくようで、
    怖くなってしまいます。
    ところで、管理人様は、
    「ガールズ&パンツァー(通称:ガルパン)」というアニメをご存知ですか?
    戦車で戦う女子高生を描いた作品なのですが、初めて見た時は、
    とうとうここまできたか・・・と、
    開いた口が塞がりませんでした。
    是非管理人様に取り上げていただきたいです。
    タカ | 2013/08/21 10:58 AM

    ガルパンのせいか分かりませんが、総火演外れてしまいました (ノ◇≦。)
    「ガルパン」人気で11万人超! 自衛隊富士火力演習に応募殺到 “戦車萌え”で町おこし、国防への関心まで!?
    http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130819/plc13081923390008-n1.htm
    マリメッコ | 2013/08/21 3:29 PM

コメントする