日本の面影

Glimpses of Japan
失われる日本人の精神性に、将来を憂う  リンクフリー

『リボンの騎士』が暗示するもの ~ 手塚治虫のポジション

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(2012.3.28)
今日は日本初の少女向けアニメとされる手塚治虫の傑作『リボンの騎士』(1967)について。ここでもオススメ作品にピックアップしてますが、私は『リボンの騎士』がとっても好きで、このアニメのヒロインは女の子に生まれながら国の事情により男の子(王子)として育てられます。ヒロインの名前はサファイヤ王子、これだけでここの読者ならピンと来られるのではないでしょうか ^▽^)

男の心を持った女の子、女が王位に就けない国が舞台ということで、今の日本が抱える問題に何となく通じてる感じがあるので、左翼が何かとコジつけて利用しそうなテーマを扱ってる作品かもしれません。手塚氏自身も共産党に絡んでいた時期があったりで手塚治虫が左翼だとか中傷してる輩どももいますが、この作品で彼が訴えてるテーマはそんな左翼的で薄っぺらなものではないです。

戦争と平和についての手塚治虫のポジションというのは、『どろろ』(1969)に最もよく表れているでしょう。
どろろは両親を失った子供で百鬼丸を兄のように慕ってます。どろろの父親は侍嫌いで反権威的だったのですが、道端で飢えていたどろろに食べ物をあげようとした高貴な人々に、「こんな奴らから食べ物をもらうな!」とわめいて、もらった食べ物をどろろから取り上げて踏みつけ、さらに食べ物をくれた人々に「おまえらの戦のせいで俺たちがこんな目に会ってんだ」なんて騒ぎながら切りかかってまでいき、斬り殺されてしまうという、非常に愚かで惨めな死に方をします。
どろろの父親は反体制的で攻撃的な左翼だったといえるわけですが、その偏狭などろろの父親の死に方、非常に冷めた目で描かれてるんです。
加えて、どろろが「戦があるからいけないんだ!戦をやめさせてやる!」なんて言ってると、百鬼丸が「戦なんてなくならねえよ。愚かなことはやめとけ。」と諌めるシーンもあります。もちろん手塚氏は平和が一番と考えてるでしょうが、だからといってカス左翼どものように下品に「平和だ!自由だ!平等だ!」なんて騒ぐことはしません。手塚氏のポジション、本心は明らかに、この百鬼丸の言葉に代弁されてます。戦争と平和について現実感を持っていて、非常に冷めてるんです。

また『マグマ大使』では悪役ゴアが、争ってる二国に対して陰謀を仕掛けて片方に敵国を装って悪さして戦争させようとしてたりで、戦争を引き起こす勢力が存在し、現代の戦争は陰謀から引き起こされるケースが多いこと、石森章太郎らと同じく気付いてることが伺えます。それに鉄腕アトムもサイボーグ009も仮面ライダーも平和のため戦ってるのであって、決して戦うこと自体は否定していないのですから。
ただし手塚治虫も石森章太郎も、初期を過ぎると左翼に利用されてるので、見るのは初期のものに限った方がいいです。

女のサファイヤの国はシルバー、男のフランツの国はゴールド
そしてプラスチックやナイロン、ジュラルミンまで出てくる そこに鍵が


そしてこの『リボンの騎士』(詳しくは右画像クリック)、日本の未来を暗示し、いろんな問題提起してる作品です。
手塚氏は、決して女が王位に就けないのを批判したりしてません。ただし、この作品に出てくる女である王妃はその制度を恨んでる部分も見受けられますが。

さらにサファイヤと並ぶ王位継承者となりうるジュラルミン大公の息子にプラスチック王子というのがいるのですが、そのプラスチックがパッパラパーでとにかくひどい・・・これは日本が似たような状況に陥った時、ピンチになるであろうことが伺えます。
今は悠仁親王殿下が賢く強いサファイヤ王子とたまたま重なるとするなら、プラスチック王子は・・・
とにかく今のこの状況が逆転し、将来の危機に瀕した時のため、しっかりした王位継承者を常に擁しておかないと日本は大変なことになっていくと思います。もちろん血を継いだ男子のシッカリした王位継承者がたくさん待ち構えていていただきたいところ。

だからといって女王が認められないことへの、フェミ左翼のような批判なんて手塚氏は全くしてません。
これはその結末にハッキリ伺えるんです。サファイヤ王子(女)の国はシルバーランド、そして最後にサファイヤが結婚する相手となる王子(男)の国はゴールドランド、つまり手塚氏は男の方の格を上に描いてるわけです(これについて詳しくは、ももっちさんのブログをご覧ください)。恐らくこの二人が結婚すれば国も合併することになるでしょう。そしてきっとフランツ王子が王様になり、サファイヤは女として王妃として、王となったフランツを支えることに生涯を尽くすことになるのではないでしょうか。

他にも男の心を持った女ということで、左翼には性同一性障害にコジツケようとする輩どももいそうですが、手塚氏のテーマはそんなチープなものではありません。

なでしこジャパンのような男性化した女たち、対して女らしく女として真の強さを持つ本当のヤマトナデシコとはどうあるべきか。
本来の、男がやるべきこと、女がやるべきこと、それぞれ男女があるべき姿というのはあります。
下の動画で「刺繍の競争でもしましょう」と敵のナイロン卿に言われて、サファイヤ王子が「男のボクがそんなことやれるか!」と激怒する場面がありますが、こんなのも男女が均一化、あるいは男女逆転洗脳教育されてしまったりすれば、それを受けた世代では、なんでこういうので怒ってるのか、理由さえわからなくなってしまいますよね。

下動画の最初の男っぽいサファイヤと、最後の女の心を取り戻して女の子らしくなったサファイヤ、声まで変わります(笑) 手塚氏の求める女らしさ、明らかにこのラストにあるでしょう。本当に女性として魅力的なのはどっちであるか、これ見てよく考えてくださいね。
間違っても、ワンパクで男勝りの女を目指すなんて、そっちのベクトルに力入れてったりしてはいけません。そんなの男にとって誰も魅力的な女には映りませんよ。なでしこジャパン、女の野獣系ですか・・・残念ながら女としての魅力なんてゼロだと思ってください。マスコミの煽り、洗脳で勘違いしないでくださいよ。完全なミスリード。ましてや親が女の子に積極的にサッカーやらせようなんてしてるとなれば、犯罪行為に等しいです。女を捨てて人生台無しになる覚悟もあってやってるなら、それはそれでかまわないでしょうが・・・

『リボンの騎士』(1967)より 初回から終話
私はピアノの入り方が絶妙な、この主題歌が大好き! 作曲は富田勲で、彼は『ジャングル大帝』『どろろ』などの主題歌も作っていて、初期の手塚アニメになくてはならない存在。『リボンの騎士』は手塚氏自身がアニメのプロデュースにまで関わってます。国を乗っ取って王座を狙ってるという役柄のジュラルミン大公の子 プラスチック王子にも注目。

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この記事に対するコメント

  • 【前サイトURLのこの記事へのコメント】

    リボンの騎士は、奥が深い作品なのですね。
    再放送で何度も流れていたのですが、じっくり見たことがなくて、その内容を詳しく知りませんでした。
    今拝見すると、現在の日本そのままのようで、恐ろしい程の心眼を感じます。
    なんでも器というものがありますよね。
    トップを狙う、出世する等、野心がいくら大きくても、身の丈に沿わないものがその役目に立つことなど到底無理だし、成ったときは終わりを意味するのだろうと思います。
    手塚さんの悪い噂は、共産系以外にも流れていたりして、それらを見ると少しげんなりしていたのですが、今日改めて、素晴らしい方だったと知れとても嬉しかったです。
    戦後の有名な作品を作られた先生たちは、それぞれに秘密の書を残されたように感じます・・。
    今の子供達に、このような作品を見ていただきたいですね。
    しかしそれにしても、ナイロンとかプラスチックとか・・・劣化しやすいものが名前というのも・・・奥深さを感じます。
    緑 | 2012/03/28 4:50 PM

    私も小さい頃に良く見ていたことは憶えているのですが、この漫画の背景など難しいことは、今まで知りませんでした。
    coffee | 2012/03/28 9:49 PM

    小生の場合は軟弱な?アニメネタが多くて恐縮ですが、アニメ・まいっちんぐマチコ先生に出て来る女の子達は、皆一昔前の、普通~の女の子達ばかり、今で言う肉食系女子のまる子というキャラでさえ、恋に恋するロマンチストです。昔の(と言っても手塚先生の作品に比べればずっと新しいですが)漫画・アニメは良いです。まだ日本人の常識が残されていました。
    素浪人 | 2012/03/28 9:55 PM

     今日は。
     私のブログをご紹介頂きまして有り難う御座いました。また、私のブログにも御丁寧に御挨拶を頂きまして有り難う御座いました。
     動画を見ても分かりますが、サファイアは男装ですが、手の仕草、足の動き、顔の表情等、メチャ女らしく可愛く聡明に描かれて居ますね。最近のアニメに出て来る女どもより何倍も女らしいです。男装なのは国を守る為の仮の姿で有って、「国を守る為に戦う」事は昔のアニメに一貫して居ました。今のアニメはどうなんでしょう?心配です。
     時代物が好きと言うのも有りますが、手塚作品の中で私が一番好きな作品が『どろろ』です。当時、妖怪ブームと白土三平氏の劇画ブームが有り手塚氏がそれらに影響されて描いた作品が『どろろ』かな?と言う気がします。どろろも男装ですが、原作では子供なのが良かったのに、近年映画化された時はどろろ役が大人の女優(柴咲コウ)がされて居たのが残念です。
    ももっち | 2012/04/05 4:15 PM

    手塚治虫先生の両性具有系キャラと言えば、元祖はメトロポリスに登場する人造人間ミッチィです。サファイアはもちろん、アトムの造形にも影響を与えてます(もともとは女の子としてイメージされていて、アトムの赤い靴はその名残だそう)
    悪の組織の親玉が作り出した人工黒点の放射線の影響で命を持った人造タンパク質。それを用いて生まれた人造人間がミッチィ。喉の奥のスイッチを押せば男にも女にも変身でき、深呼吸してヘリウムを肺に貯めることで空を飛び、恐るべき怪力を発揮できる。ローマのエンジェル像をモチーフにした天使のような美しい容姿と、悪魔の如き力を併せ持った存在として描かれている。
    自分を生み出し道具にしようと目論み、ロボットたちを奴隷扱いして酷使していた身勝手な人間に怒り、ロボットを率いて反乱を起こす。
    しかし、世界に異変を引き越している人工黒点の力を遮って止めたことで、人工黒点によって誕生したミッチィは肉体を維持することができなくなり、全身が溶けて死んでしまうという結末。
    なお、ミッチィという名は「男でも女でもない名前」と劇中で述べられています。喉の奥のスイッチ一つで簡単に性別を切り替えられるという設定も、現代の視点で考えると絵空事には思えない気がします。
    またメトロポリスは2001年度に漫画家の大友克弘の監督によりアニメ化されてますが、つまんない駄作でしたよ。
    あっとまーく+ | 2013/08/12 9:44 AM

    お邪魔します。
    男装麗人?系といえば、ベルサイユのばら。
    左翼に利用されそうな・・・と一見思われがちな作品なんですが、オスカル様はあれでも男性をたてているんです。好感持てます。
    アニメのほうがいいかもです。
    アニメファン | 2015/02/08 11:22 PM

    リボンの騎士は男装の麗人という女性の男らしさと戻ったときの女らしさの2つの美しさが健在していると思います。
    るい | 2015/09/02 9:51 PM

    「ワンパクで男勝りの女」という言葉がありますが、とうとう下のような状態になってしまったようです。
    <デートDV>暴言や暴力…被害者は男子生徒、女子の倍以上
    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160207-00000059-mai-soci
    「性的強要」以外は男子被害者の方が多く、「暴力」に至っては男子被害者が女子被害者の2倍以上になっています。
    名無し | 2016/02/08 7:42 PM

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