真実の日本の歴史 ~ 戦前教科書 尋常小学 国史より ⑨
第三十 上杉謙信と武田信玄
(2019.7.11) (戻る)
現代でも今のところ、戦国武将で最も名が知れてる上杉謙信と武田信玄。でも、現代の学校教育で教えられてるのはせいぜいその名前だけ。そんなものだけいくら覚えても、子供たちの成長に何かつながったりとか、そういうのはまるでないでしょう。少なくとも戦前の教育では謙信と信玄の生い立ちや人柄などが何より重視されて教えられていました。英霊たちや先人は、誰もが今日の内容をその小学生時代に学んでいたわけです。すなわち尋常小学国史や当時の学習書を読んでおくことで、英霊たちと同じ精神土台を持った日本人に現代でもなれる。それをやることによって初めて本当の意味で英霊たちと現代に生きる私たちが、その思いでつながることが出来るのです。それなのに「最新の研究ではこうだ」「今までの説は間違っていた」云々の話、私にとって何の意味もないんです。そんなことを続けることによって歴史はどんどん改ざんされ、日本人としてのアイデンティティーが消滅してしまうんです。
そして、先人の学んでいた教科書で学ぶ……それだけのこともやらないで、単に「日本史教科書の名称を戦前と同じ【国史】に戻すべきだ(だけどその内容は戦前のものとは似ても似つかない本)」、そんなこと言ってる奴はただのバカか、確信的な“日本”を消したい撹乱誤誘導の工作員でしかありません。
謙信の生い立ち
北條氏と肩を並べて勢いを争っていたのは、越後の上杉謙信(うえすぎけんしん)である。謙信は、もと長尾氏で、平氏の出であるが、その家は、代々 上杉氏に仕えて越後にいた。父を長尾為景(ためかげ)といい、謙信はその二男である。うまれつき大胆で、たいそう勇気があった。幼い時に、父が戦死して、兄の晴景(はるかげ)が家をついだが、柔弱であるため、とかく部下に軽んぜられて、国中がたいへん乱れた。そこで、謙信は、僧となって、他の国々を見て歩き、やがて越後に帰って兄に代り、国内の乱を平げて、進んで近国をも従へ、その勢はなかなか盛になった。後、上杉憲政(のりまさ)が北條氏康に追われて謙信をたよって来た時、その家名をくれたので、長尾氏を改めて上杉氏を名のることになったのである。
小田原に迫った
これから、謙信は、憲政のために、たびたび兵を関東に出して北條氏と戦った。ある時など、はるばる小田原の城下近くまで攻め寄せたことがあったが、敵は謙信の武勇に恐れいって、途中一人として防ぐものもなく、まるで無人の原を行くような有様であった。
信玄の生い立ち
この頃、甲斐に武田信玄(たけだしんげん)がいた。その家は、新羅三郎義光から出て、代々甲斐の領主であった。信玄は、幼い時から謀にすぐれていた。十六歳の時、父の信虎(のぶとら)に従って信濃に攻入った。信虎は八千の兵を率いて攻めたが、敵は堅く城を守ってなかなか屈服しなかった。
信濃を取った
ところが、信玄は、わづかに三百の小勢で謀をめぐらし、不意打をして城をおとしいれた。ほどなく父に代って、よくその国を治め、またしだいに信濃を攻取ったから、信濃の村上氏らは、越後に逃げて謙信に助けをたのんだ。
川中島の戦
謙信は、村上氏らのために、たびたび信濃に攻め入って、信玄と川中島で戦った。中でも、ある年の秋の戦に、謙信が、一万三千の兵を従へて川中島に陣を取っていると、信玄は、二万の大軍を率いてこれをはさみうちにしようとした。謙信は、ただちにその謀をさとって、不意に信玄の陣に攻め入り、みづから太刀を振るって信玄めがけて切りつけた。信玄は軍配団扇(ぐんばいうちわ)でこれを防いで、やっと危いところを逃れることが出来た。
かようにして、長い間その勝敗は決まらなかった。謙信は、信玄とこれほど激しく戦っていても、甲斐の人民が塩が不足して苦しんでいることを聞くと、たいへん気の毒に思い、越後からわざわざ塩を遅らせた。人々はその義理のあついのに、深く感心した。
信玄は望をとげないで死んだ
信玄と謙信は、めいめい、折さえあれば京都に上って、天下に号令しようと望んでいた。そのため、信玄は、盛に近国を攻め取り、はては駿河を合わせ、遠江(とおとうみ)に進み、さらに三河(みかわ)に入ったが、たまたま病にかかって、国に帰る途中で死んだ。謙信は、これを聞いて、よい相手を失ったといって、たいそう惜しんだということである。
謙信も目的を果たさないで死んだ
謙信もまた、越中や能登などの国々を取り、大兵を率いていよいよ京都へ向おうとした。ところが、出発まぎわになって、急病で死んだので、とうとうその目的を果たすことが出来なかった。
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◆真実の日本の歴史 ~ 戦前教科書 尋常小学 国史より ⑦ 第二十八 足利氏の衰微
◆真実の日本の歴史 ~ 戦前教科書 尋常小学 国史より ② 第二十三 楠木正成
◆真実の日本の歴史 ~ 戦前の日本史教科書準拠 参考書より ④ 日本武尊 成務天皇
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