真実の日本の歴史 ~ 戦前の日本史教科書準拠 参考書より ④
日本武尊 成務天皇
(2017.1.24) (戻る)
皆様、大変お待たせしておりました。戦前の歴史学習書『最新 日本歴史解釈』の続きです。
第四章になります今回は、日本最大の英雄 日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が登場します。生涯かけて忠義に尽くした皇子の栄光と悲哀、その高貴な魂は永遠です。そして妃 弟橘媛(オトタチバナヒメ)も、献身的な日本女性として日本史上に燦然と輝いています。
日本人のルーツを奪い去る現代日本で教えられているデタラメ史観から、これらを知って一刻も早く脱してくださいね。
『最新 日本歴史解釈 』(1917年・妻木 忠太 著)より |
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熊襲征伐 熊襲(くまそ)の性質―九州の南部に住む―景行天皇の御親征―熊襲再び叛く―皇子小確尊(オウスノミコト・日本武尊)の御征伐―尊 時に御年十六―賊魁(ぞくかい)の川上梟帥(カワカミノタケル)誅に伏す―日本武(ヤマトタケ)の御名―熊襲の平定。 蝦夷征伐 成務天皇 |
〇熊襲の性質 強剛にして剽悍(ひょうかん)なる種族なり。大隅・薩摩の地を本拠とせしが、神武天皇御東征の後は、其の威力を北方肥後までも及ぼしぬ。後に隼人(はやと)として知られたるもの蓋し(けだし)是なるべし。隼人とは、勇猛にして敏捷(びんしょう)なるを云う。 〇景行天皇の熊襲征伐 天皇の12年 熊襲反す。天皇、之を征せんとして周防の佐波郡に至り、先ず使を遣わして九州の状を視せしめ給う。女 酋神夏磯(カンカシ)媛なるもの、船に白旗を立てて来り帰す。乃ち其の言によりて九州北部の諸賊を平げ、豊前に行宮(今の福岡県京都郡・みやこぐんの地)を建て給う。是より大分・速見の両群をへて、行く行く賊を征して日向に入り、高屋行宮に在りて熊襲の巣窟をつかんとし給う。時に熊襲に厚鹿文(アツカヤ)迮鹿文(セカヤ)の二人のかしらありて、其の部下甚だ多し。之を八十梟帥(ヤソタケル、コチラ参照)と云う。天皇 兵を損せんことを思い給い、謀を以て梟帥の女 市乾鹿文(イチフカヤ)を誘い、遂に其の父を誅せしめ給う。是に於て襲の国、平定す。襲の国は熊襲の居住地にして大隅の噌唹(ソヲ)郡なるべし。 景行天皇27年、熊襲再び反するや、天皇 日本武尊をして之を伐たしめ給う。尊時に年十六。尊 乃ち此の年12月を以て熊襲の国に至り、其の消息と地形とを伺い給う。時に熊襲のかしらを川上梟帥という。川上梟帥たまたま親族を集めて宴をなす。尊 即ち髪をときて少女の姿になり、剣を衣中にはぎて梟帥の宴室に入り、女の中にまじり居給う。夜深く人少なくなるに及び、尊 川上梟帥の酔えるを伺いて、遂に之を刺し給う。 〇日本武尊の御名 尊の川上梟帥の胸を刺し給う時、梟帥 未だ死せずして曰く、吾は国中の強きものなり、当時、我が威力に従わざるものなし、されど尊の如き武力あるものを知らず、吾 賤しき口ながらも、御名を日本武の皇子と奉らんと。言い終るや、尊 胸を刺して之を誅し給う。是より日本武尊と称し奉るに至りしなり。 蝦夷は、今の北海道に住めるアイヌと同じ種族にして、頗(すこぶ)る勇悍なりき。景行天皇の御代の頃には、奥羽地方より常陸にまでもひろがりて、其の勢力甚だ熾(さかん)なり。天皇 日本武尊に征伐せしめ給いし時にのたまうて曰く、東夷の性質暴にして村に長なく邑に首なし。各疆(さかい)を争いて互いに盗略す、東夷の中にて蝦夷最も強し男女交わり居て父子に別なし、冬は穴に宿し夏は樔(やぐら)にすむ。毛を着て血を飲み山を登り野を走ること飛ぶ鳥や走る獣の如し、箭(や)を頭髪にさして刀を衣中にはぎ、或は黨(なかま)を聚(あつ)めて辺界を犯し、或は農業を伺いて人民を殺す。撃てば草にかくれ、追えば山に入る。身体長大にして力強く、猛きこと雷電の如く、向う所前なしと。之によりて、当時の蝦夷の状を知るべし。 〇武内宿禰 東方観察 景行天皇の25年、孝元天皇の後なる武内宿禰をして、北陸及び東方の国々の形勢と人民の有様とを観察せしめ給う。27年、武内宿禰 東国より還り、東夷の中に日高見国(次に見ゆ)あり国人勇悍にして男女ともに髪を結び、身に入墨(いれずみ)す、是を蝦夷と云う、土地肥えて広し、之を征服し給うべしと奏上す。 〇大伴武日 天忍日命(アメノオシヒノミコト、コチラ参照)の後にして、道臣命(ミチノオミノミコト、コチラ参照)七世の孫なり。日本武尊の東夷征伐に当たり、天皇 武日をして尊に従わしめ給う。此の動功によりて、讃岐の地を賜りて私宅となさしめ給う。武日の子 武以(タケモチ)は、仲哀天皇の御代、始めて大臣(おほおみ)となる。 〇日本武尊の蝦夷征伐 景行天皇の40年、蝦夷反きて人民を苦しむ。天皇群臣に詔して、之が征伐将たるべきものを問わせ給う。日本武尊は御兄 大碓尊(オオウスノミコト)を推し給いしが、大碓尊 懼(おそ)れて之を辞し給いしかば、日本武尊をして平定せしめ給う。日本武尊乃ち大和を発して伊勢に至り、皇大(こうたい)神宮を拝して倭姫命(ヤマトヒメノミコト)にあい給う。かくて尊は命より叢雲剣を授かり、駿河に至り給いし時、土賊 尊を殺さんとし、狩に誘いて其の野を焼く。尊 欺かるゝを知り給い、燧(ひうち)にて火を出し、叢雲剣にて草を薙(な)ぎ、(草薙剣と改名)之を焼きて免るゝことを得、却て其の賊を滅し給う。焼津の名 此に起こる。尊 相模より進んで走水(はしりみず)に至り、東京湾を渡りて上総(かずさ)に上陸し給う。尊 上総より陸奥(むつ)の国に入りて、蝦夷を平げ給う。尊の帰路は、日高見国(或は常陸の北辺とし或は陸前桃生郡附近とす)を発し、西南常陸・武蔵を経て、甲斐に入りて酒折(さかおり)宮に居給う。かくて大伴武日を信濃及北陸に遣わし、自ら転(てん)じて碓水(うすい)峠を越えて信濃に入り、美濃より尾張に出で、更に近江の賊を討ち、遂に伊勢に還りて薨じ給う。時年三十。 〇弟橘媛 日本武尊の妃なり。尊の蝦夷征伐に従いしが、尊 東京湾を渡りて上総に上陸せんとし給う時、たまたま海上暴風起こり、尊の船ただよいて渡り難し、弟橘媛 尊に申して曰く、風起こり浪荒くして尊の船、将に沈まんとす、妃の身を以て尊の命に代わらんと。言い終りて浪の中に投じ給う。是に於て暴風たちまち止み、船 上総の沿岸につくを得たり。よりて時人 其の海を走水と云う。 尊の帰路 尾張に至り給うや、国造 尾張氏により給う。時に近江の膽吹(伊吹・いぶき)山に賊あると聞き、草薙剣を尾張氏の家に置きて、此の賊を平げ給う。尊たまたま疾(やまい)を獲給いしを以て、尾張氏の家に入らずして伊勢の能褒野(のぼの)に至りしに、疾甚だしくして其の俘(とりこ)にせる蝦夷を神宮に奉り、吉備津彦(きびつひこ)をして東夷平定を奏上せしめ、遂に此に薨じ給う。 〇熱田神宮 三種の神器の一なる草薙剣を祀れる宮にして、名古屋市の熱田に在り。日本武尊 蝦夷征伐の時、此の剣を帯給いしが、其の帰路、尾張の國造 尾張氏の家に滞在し給い、近江の膽吹山の賊を討たんとし、此の剣をとどめて向い給う。かくて尊 疾を獲て、遂に能褒野に薨じ給いしかば、神剣は尾張にとどまり、後 此の地に祀り奉る。天智天皇の御代、しばらく禁中に在りしが、天武天皇の御代、また熱田に返し奉らる。 〇御諸別王の東国鎮撫 景行天皇の53年、天皇 日本武尊の平げし国々を巡視せんとし先づ伊勢に幸し、転じて東海に入り、上総より海路 安房に渡りて還幸し給う。55年、豊城入彦命(トヨキイリヒコノミコト)の孫 彦狭島王(ヒコサシマオウ)を東山道十五国の都督とし給いしが、任所に至らずして薨す。翌年、更に王の子 御諸別王に詔して東国を鎮撫せしめ給う。 〇国造・縣主の増置 神武天皇 大和平定の後、始めて國(国)造・縣(県)主(コチラ参照)を置き給いしが、第十四代成務天皇の御代に至り、大に郡国の境を正し、大国小国の國造を定め、大県小県の縣主を置き以て中央政府の藩屏(はんぺい)とし給う。当時の國造は凡そ144ありと云う。職掌は、各土地を領して、其の人民を治め、神祇を祭り田賦(でんぷ)を貢するに在り。而して其の子孫 之を世襲す。 〇大臣の始 大臣はオホイマチキミとよみ、後の大臣(おほおみ)なり。大臣は臣姓の諸氏をすべ、大連(おほむらじ)と共に天下の庶政をすぶるを職とす。而して其の大臣は、実に成務天皇の御代に、武内宿禰の大臣(おほいまちきみ)となりしに起こり、其の子孫 之を世襲したり。 〇皇大神宮と熱田神宮との由来 両神宮の由来は、八咫の鏡と叢雲剣との奉遷(コチラ参照)と前項 熱田神宮とを見るべし。 |
(続き)戦前の日本史教科書準拠 参考書より ⑤ ~ 朝鮮半島の内附 神功皇后の征伐 文物の伝来
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◆真実の日本の歴史 ~ 戦前の日本史教科書準拠 参考書より ⑥ 仁徳天皇と雄略天皇 顕宗 仁賢 両天皇
◆真実の日本の歴史 ~ 戦前の日本史教科書準拠 参考書より ② 神武天皇
◆真実の日本の歴史 ~ 戦前の日本史教科書準拠 参考書より ⑦ 朝鮮半島の変遷。韓土の形勢 任那 日本府の滅亡
◆真実の日本の歴史 ~ 戦前の日本史教科書準拠 参考書より はしがき・もくじ
◆戦前は逆賊歴史学として処罰されてた、左翼学者による皇統否定の「縄文・弥生」時代の敗戦後の普及 ~ 汚染される皇室。救う手だては皇室奪回
◆日本神話の絵本について ~ 子供たちに日本と天皇へ愛着を持たせましょう
◆日本神話が題材のスペクタクル巨編 映画 『 日本誕生 』について
◆日本の童謡の世界は比類ない最高のもの ~ それと子供には神話絵本も!
◆イザナギとイザナミに見る、日本における男女のあり方 ~ 日本神話を題材に
◆戦後の歴史教育を捨てよう。 歴史教育 再興 ① 永久保存版 戦前の国史(日本史)学習年表
◆古代日本史における朝鮮半島の倭国領を歴史から取り返さなければならない! ~ 朝鮮に文化をもたらし、古代朝鮮半島南部を支配した倭人
この記事に対するコメント
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初めてこのブログを読みましたが、この記事だけではなくて、他の記事も面白い!
シスイ | 2017/01/25 4:37 AM