革命に成功したイランの実態
~ 権力者とアラー(神)、日本における将軍と天皇の関係に似ている
【付録:韓国の太極旗をズタズタに切り刻んで料理する中国人】
(2010.6.19)
反体制指導者を処刑=西側が支援と非難-イラン (カイロ時事 2010.6.20)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010062000117
イランのメディアによると、イスラム教スンニ派の反体制組織ジュンダラの指導者リギ死刑囚が20日朝、首都テヘランの刑務所で絞首刑を執行された。ジュンダラはイラン治安部隊を標的とした多くのテロに関与。イラン側は米国など西側情報機関の支援を受けていると主張している。
リギ死刑囚は2月にドバイからキルギスに航空機で向かっていた途中に拘束されたとされる。革命裁判所で爆弾テロや警察署襲撃など79件の犯罪行為で死刑判決を受けていた。イラン当局は、死刑囚が拘束直前に米軍基地に潜伏していたとも非難していた。
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一般に非民主主義的な人権抑圧国家と思われているイラン。果たしてその実態はどうなっているのか。
昨日の武士道や天皇の関係に関連して、似たような階級意識が感じられるイランについて、昨年、イラン国内で改革要求デモが頻発していた頃に書いたものです。
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(2009.6)
イランでは1979年、ルーホッラー・ホメイニ師を指導者とするイスラム教十二イマーム派(シーア派)の法学者を支柱とする反体制勢力が、親米だったパフラヴィー朝に代わって政権を奪取した。これがイラン・イスラム革命と呼ばれる、事実上の社会主義革命である。
イランは、共産主義国で他に例を見ない、宗教教義を範とする国家。
イスラムでは女性差別されているという先入観がある。
しかし、女子教育や女性の地位向上はおそらくアラブ一。
イランはイスラムの戒律を遵守しながら、革命に成功していると見てよいだろう。
イスラム教の教義では、本来、男女差別的なものはない
女性だと、公衆でのヒジャーブ着用や、命の重みや相続は男の半分とかいろいろあるが、後記情報の通り、医者だと女性の方が有利だったりと、今や女性の社会進出が著しく、必ずしも女性が不利益を被るとも言いがたいようだ。
人権団体などが問題としてるのは、特にキリスト教徒など異教徒への差別が憲法でも保障され、差別が公然と行われていることである。
それに死刑がやたら多い。
異教徒が、イスラム教徒の女性とセックスすると死刑。逆は死刑にならない。
イスラム教からの改宗も死刑、同性愛も死刑。不倫が死刑になることもある。
もちろん政治犯も死刑になりやすい。
また泥棒なんか、被害者から手足を切り落とされる。
イランの反体制派は、こういった厳格さ、そして反欧米の政府に最も反発しているのだろう。反欧米を貫けるのは、他国に頼る必要のない石油の力がやはり大きいと思う
いずれにしろ、イスラム教の厳格な戒律の元での平等、自由が保障されているのであり、日本や欧米諸国での自由とは大きく異なるということだ。
社会主義(共産主義)は一定の貧富の横並びを生むかもしれないが、やはり厳しいイデオロギー統制を伴い、異端者や反体制派には厳罰で臨む、恐怖政治の一面を持つ。
共産主義は、通常なら既存宗教なんてすべて破壊するのだが、イランが成功しているのは、宗教という筋を通すための伝統基盤を守っているからだろう。
ソ連や中国、北朝鮮などは、すべての宗教を否定して、事実上の国家元首崇拝となっている。
この違いは大きい。
どういうことかというと、たとえ国家元首といえども、それよりさらに偉い神の存在があるのとないのでは、大違いだということだ。
これは、日本における歴史上の支配者、関白や徳川将軍などが政治上の実権を握っても、その上に天皇が存在していたことに似ている。
最高権力者といえども、常にそれより更に上に存在している者がおり、権力者だからこそ、上の者に見られており、人徳や公正さが要求されることにつながる。
たとえ国家の権力者としては最高の存在であっても、絶対ではない。 イスラムでは、絶対は神。
偶像崇拝禁止で国家元首崇拝など論外とするのが、イスラムの教え。イスラムの聖人は、権力者なんて総て自惚れで堕落してしまうことを、当の昔から見抜いていたのだ。
最高権力者の上にそういった絶対的存在があることは、権力者が傍若無人な無法者になることを防ぐ防波堤となる。
日本だって、もしも天皇がいなかったら、きっと歴史に名を残すような極悪非道の独裁者が、絶対に出現していたと思う。
もともとムスリム(イスラム教徒)と日本人は、価値観とかでも、欧米人よりもむしろウマが合っていた。
そもそも近代以降の欧米諸国は、既にイエスや神を中心とした国家観ではなかったが、イスラム諸国は神を中心とした国家観。
日本だって、元々は天皇を中心とした国家観なので、政教一致のイスラム諸国との親和性の方が、欧米よりも遥かに高いのだ。
イランが、中国やソ連の冷酷非情な共産党なんかよりもずっとマシに見えるのは、やはり社会主義よりも上の存在として、血の通ったイスラム教の精神あってのことだろう。
(以下は、Wikipedia「イラン革命」より抜粋)
http://ja.wikipedia.org/wiki/イラン革命
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革命がもたらした成果の一つとして識字率の上昇と共に女子教育の飛躍的な拡充が挙げられる。
それは、就学率の上昇と高学歴化として表れ、特に農村部に顕著である。このことは、イスラム社会主義による公共政策の普遍化によって都市と農村との格差が是正されると同時に、男女分離政策が、逆に地方の信心深い人々の女子就学への抵抗感を払拭したことによるもので、社会の伝統的な文化に沿う政策が、大方の見方とは逆に社会変革の進行をスムーズに促していったことが見て取れる。
例えば、辺境州も含めた女子の小学校総在籍率が革命前(1975年)の71%から現在(2007年)の96%以上となり、更に中学から大学準備過程を含めた中等教育では、女子の総在籍率は33%(1976年)から76%に飛躍的に向上している。そのため、現在の高校在学生全体における女子比率は都市部で49.4、農村部で45.1%となっている。
現在では高等教育における大学生の男女比率は、医学、人文、基礎科学、芸術の各専攻とも完全に女性優位となっている。
世界各国の高等教育全般において女子が男子を凌駕する国はイランの他には無く、これなどはイスラム革命の実像を判断するうえで重要な視点を提供してくれている。既に革命後の僅か4年間で女子の高等教育への進学率が8倍に達したことが指摘されていたが、今日、大学生の女性比率は62%を超え、男子の倍近くにのぼっている。
大学進学者は、コンクールにおける成績順に希望大学・学部へ振り分けられるようになっており、理数系への希望は毎年定員の10倍を超えて成績優秀者が集中する傾向にあるが、その中で女子の占める比率がさらに高くなる結果、医学専攻では学部で実に70%以上を女子が占めるに至っている。(ちなみに、短大過程73%、修士51%、博士44%。2002年度公立大学・高等教育機関の在籍者数統計による。)
これは、教育機会の保障を基礎に、高等教育に代表される全教育課程での教育内容(後述)と評価の完全な男女平等の実現の結果といえるが、イラン・イスラム共和国における女性の就学に対する意識の高さと勤勉さも反映された形となっている。
高等専門職の女性比率の顕著な高まりは、例えば国民医療の公営化による普及と男女分離政策が、医師をはじめとする医療分野での女性の進出を促し、女性専門職の増大を後押ししていることから、制度的にも高い整合性を保っている。それは、女性患者の診療は女性医師が行う必要があり、逆に男性患者の診療は男女どちらの医師でも構わないとされるために、医療分野においては特に女性の方が男性よりも就業の自由度が高いことも影響している。
教育分野においても同様のことがいえ、女性の全労働人口の実に3分の1が専門職に就いており、そのうちの8割以上が教育職にある。また既に大学教員の4人に一人が女性であり、公官庁での女性管理職の採用も行われいる。
先進諸国も含め女性労働力は、概して低賃金、非熟練職に集中する傾向があるが、このことは革命を経たイランには当て嵌まらず、女性の高学歴化に伴い、都市・農村共に結婚年齢が上昇し共稼ぎ世帯も増えていく中で、女性の地位が確実に向上してきたことが、このような労働統計にも表れている。
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韓国の太極旗をズタズタに切り刻んで料理する中国人
記事とまったく関係ないが、ただいま話題の映像をご紹介。今や中国人の嫌韓度もかなりのものですね。この映像を見て、スカッとする方も多いのでは?
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